2015年のスペイン・ドイツの再エネ訪問記

 

 

 

【日本の今の再エネ状況に異議、ドイツ・スペイン訪問記から学ぶ】

 2023211日(土)17:30~ のTBS報道特集で、電気料金からエネルギー政策、今回の原発推進GXまで幅広く扱いっていた。その中で、「いっちゃいけないことかもしれないが、原発を早く稼働して、電気代を下げてほしい」旨の消費者の発言があった。

  国会の大臣発言で、原発を稼働している九州電力や関西電力は電気代を上げていない、と答弁している。

 

 安いはずの再エネ電気も高騰しているのは、FIT価格が市場連動するというおかしな日本の制度のためである。

 

  一方、再エネは不安定な電源であるという風説が今でもあるようだ。

 

  こうした日本の状況とドイツやスペインの状況と比較してみたい。今から7年前、2015111日~118日、NPO市民電力連絡会主催の「電力自由化に備えるスペイン・ドイツスタディツアー」に参加した。スペインの充実した送電網、ドイツの業績を上げ続ける再エネの実態を探る旅だった。当時のface book投稿を中心に修正・追記した。

 

  すでに7年前に、スペインでは再エネを制御する専用パネルが世界に先駆けて設置されていた。小さな村が独立して再エネで復興した、都市の歴史的景観を大事にして水力発電所を建設するなど、今でも色あせることがない。スペインでもドイツでも市民が担い手になっていることも日本との大きな違いだった。

 

  日本の現状の再エネをどうするか、その手本は海外にあるようだ。再エネの先進事例として紹介することにした。更に、参考資料のURLも添付しているので、ご覧いただれければ、更に参考になるだろう。                      

 

                              20232月 高橋喜宣

内容】

・再生可能エネルギーの大量導入事例―REEコントロールセンター世界初の再エネ専用制御センター

・スペインの24時間稼働の太陽光熱発電所

スペイン再生可能エネルギー基金訪問 電気再エネ100%のカギは政策決定

ドイツのグリーンピースエナジー―100%再エネの電気小売りを目指し、Light on, Nuclear off (電気つけて、原発を消そう)

市民のアイデア:戦争遺産を地域エネルギーの拠点に、再エネ改造エナジートーチカ
プラーター水力発電所:自然環境や歴史都市景観の調和を重視地下化へ

「太陽の村」ドイツ・レッテンバッハ、再エネで理想の村を先取り


再生可能エネルギーの大量導入事例―REEコントロールセンター世界初の再エネ専用制御センター

©Red Eléctrica de España
©Red Eléctrica de España

その1

【再生可能エネルギーの大量導入事例―REEコントロールセンター

世界初の再生可能エネルギー専用制御センター】

 スペイン・マドリッドにあるRed Eléctrica de España(REE)社は、2006年に再生可能エネルギー専用の中央給電センターを世界に先駆けて開設した。  再エネ需給管理(太陽光発電・太陽熱発電・風力発電を制御、正面左側)として、発電を調整するために作られた。その理由は、原発1基で1,000MWを作れたが、小規模分散型の電源を管理するため(約800基の風車、33ヶ所のコントロールセンターを統合するためだった。

 

 スペインは日本に似て、国際連系線が弱いにも関わらず、風力発電の設備容量・発電量が多い。そのスペインの再エネをコントロールしているのが、再エネ監視・制御センター(CECRE)だ。国際連系線はヨーロッバでは発展しているが、ヨーロッパとスペインの間にはピレネー山脈がイベリア半島の付け根付近をほぼ約430 kmにわたって連なっているので、国際連系線が弱い。

 

 (2015年11月2日訪問当時)スペイン33ケ所のコントロールセンターをつなげ、800基の風車(設備容量22,748MW)、41基の太陽光熱発電所(同2,300MW)、約1200基の太陽光発電所(同4,480MW)のリアルタイムの発電量を20秒ごと示している。例えば、訪問時の再エネは全発電の42.1%、12,668MW。円グラフで風車75.8%、太陽光熱発電5.8%、太陽光発電0.4%、水力発電17.9%。この日、マドリッドは小雨だった。

 

 緑が予想、黄色が実際値、赤がマーケット予想と時間別に数値を棒グラフで視覚化している。

全電力も同じように表示され、許容範囲を超えると、自動的に調整に入る。右上にフランスとの連携、左下にポルトガルとの連携線も掲載。原発8基)原発は住居から離れに立地)もある。

 

 REEは、スペイン政府機関で、1985年に創設、スペイン全体の電力系統を1社で管理し、送配電のコントロール、送配電設備のメンテナンス、新規の送配電網の設置などを行っている。

今回私たちが訪問したセンター(北西地域をコントロール)と、もう1拠点センターがある(残りの地域をコントロール)がある。2つに分けている理由は、セキュリティーのためだ。一方で問題があった場合、もう一方で対応出来るようになっている。

 

 同行したワタミファーム&エナジー株式会社エナジー事業本部新電力ユニットの高橋雅彦さん(肩書は当時)は、「再エネの普及は、やると決めればやれる」次のようにまとめている。

 

■ 環境と経済の両立 再生可能エネルギーーから優先的に使用する仕組みがある(メリットオーダー)

■ 見える化 各パラメータについて「計画・実績・差・許容量」

  が「見える化」されていることで、少人数で管理が可能

■ 1社の送配電会社に、再エネの発電をコントロール出来る

  権限があることが凄いと感じた

■ 発電予測精度を高めることで再エネは導入可能となる

  (気象庁・大学・独自の予測システムなど、5つの予測を総合的に判断)

 

写真は内部撮影禁止のためパンフレットのもの。

参考資料

Red Eléctrica de España(REE)社のホームページ

https://www.ree.es/es/datos/aldia 
リアルタイムの発電所が分かる、日本語を押せば、日本語でも見れる
https://demanda.ree.es/visiona/peninsula/nacional/total

 

©Red Eléctrica de España 2023.2.11の発電量。見事に予定どうりに発電。再エネは制御できることを示している。
©Red Eléctrica de España 2023.2.11の発電量。見事に予定どうりに発電。再エネは制御できることを示している。
©Red Eléctrica de EspañaRed の2023年の再エネ電力59%に。
©Red Eléctrica de EspañaRed の2023年の再エネ電力59%に。
©Red Eléctrica de España(REE)社の再エネ制御盤
©Red Eléctrica de España(REE)社の再エネ制御盤
©Red Eléctrica de España(REE)社のコントロールセンター内
©Red Eléctrica de España(REE)社のコントロールセンター内

ドイツ・スペイン視察レポート その2

スペインの24時間稼働の太陽光熱発電所

©https://taptrip.jp/5698/ より引用 スペイン・セビリアの郊外にある太陽熱発電所
©https://taptrip.jp/5698/ より引用 スペイン・セビリアの郊外にある太陽熱発電所

【スペインの24時間稼働の太陽光熱発電所】

ドイツ・スペイン視察レポート その2)

REE社のCECRE再生可能エネルギー制御センターには、42本の円柱グラフがある。これは設備容量2,300MW(1メガワットMWKWの千倍)の太陽熱発電所だ。

 

この太陽熱発電所は1972年から92年、日本で4400億円をかけて行われたサンシャイン計画の重点政策4の柱のひとつだった。太陽光を集光し、その熱でタービンを回転させて発電させる。24時間稼働だ。

 

112日、REE社を訪問したとき、小雨であった。20秒ごとに変わる再エネの総量12,688NWの内、太陽光は0.4%に対して、太陽熱発電が5.8%あった。

 

水力発電は瞬時17.9%にも関わらず、図の表示はない。このシステムで、太陽光の上に太陽光熱発電所の地図を置いているつる

 

日本で事実上つぶされたサンシャイン計画が、ここスペインでは見事に花咲いているといえよう。

 

参考

アンダルシアの大地にふりそそぐ太陽の熱で発電し、エネルギーに。 - 世界の省エネ/マイ大阪ガス (osakagas.co.jp)
夜も稼働するスペインの太陽熱発電所「ヘマソラール」 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

サンシャイン計画 - Wikipedia

特に太陽熱発電については、日照時間の長さから香川県仁尾町(現三豊市仁尾町)に、平面ミラーによるタワー集光型太陽熱発電装置と曲面ミラーと、パラボラミラーによる集光型太陽熱発電装置とが設置された。タワー集光型太陽熱発電装置は、タワー周囲に平面鏡を並べ、太陽の移動に追従して鏡を動かし、タワーの頂部付近に集光する一種の太陽炉で、その熱によって水蒸気を発生してタービンをまわす構造になっていたが、出力が計画値を大幅に下回った(想定降水量を下回ったためにミラーの埃を落せず想定出力を得られなかったとする説がある)ため、結局廃棄された。

 

 

 


ドイツ・スペイン視察レポート その3

スペイン再生可能エネルギー基金訪問 ―電気再エネ100%のカギは政策決定】

スペイン再生可能エネルギー基金訪問 電気再エネ100%のカギは政策決定

2022112日、マドリードにあるFundacion Renovables を訪問した。同基金は「2050年にスペインの電気の100%を再生可能エネルギーにすることを目標」に5年前2010年に独立したfundactionとして設立された。寄付によって運営されている。

 

「目標のカギは技術面ではなく、政治の問題だ」と同基金のサラ・ピッチーナさん。地域選挙やこれから始まる総選挙でもすべての政党に働きかけているという。

また、スペイン全発電量の43%は再生可能エネルギーという結果を残しながら、EU委員会から「お咎めを受けている」という。2020年エネルギーの20%は再エネという目標に対して、16%しか達成していないからだ。

 

スペインの電気小売り会社100社の内20社が「緑のパッケージ」で再エネの電気を販売している。卸市場は「電気セクター法」に基づき毎日無料で再エネの電気であるという証明書を20社に発行している。それでも一度も再エネが不足したことはない。

 

日本に比べてはるか先を行くスペインではあるが、2012年にFIT制度(25年間)が廃止された。その投資者の損失額は300億ユーロ。FITの代わりに投資額の7.5%導入されたが、基準も透明性もないという。法律が変わり過ぎて、不安定要因がスペインの再エネの壁となっている。(その後、変わってきているようだ。下のスペイン政策案参照)

参考
私たちに関しては-ファンダシオンリノバブル (fundacionrenovables.org (HP)

設立以来、再生可能エネルギー財団は、わが国のエネルギー政策に価値、コミットメント、野心を提供し、エネルギー的かつ環境的に

持続可能な都市の開発の重要性を擁護するよう努めてきました。これはすべて、エネルギーを基本的な必需品と見なし、

電気を公共サービスと見なす基盤に基づいています。

これまで以上に、私たちはあなたの声を知らせ、エネルギーモデルの変化を加速するためのこの市民運動を拡大し、

再生可能エネルギー財団で開発したアイデアや提案を共有、統合、伝達するできるだけ多くの市民の支援を期待しています。


「2050年までに100%再エネ電力」、スペインが政策案: 日本経済新聞 (nikkei.com)

Fundacion Renovables 入口にて
Fundacion Renovables 入口にて

ドイツ・スペイン視察報告 その4

ドイツのグリーンピースエナジ―100%再エネの電気小売り目指し、Light on, Nuclear off (電気つけて、原発を消そう)

グリーンピース・エナジー社とプラネット・エナジー社の入るハンブルグオフィス。太陽光パネルだけでなく、風車も(時間がなく、見学できなかった)
グリーンピース・エナジー社とプラネット・エナジー社の入るハンブルグオフィス。太陽光パネルだけでなく、風車も(時間がなく、見学できなかった)

ドイツのグリーンピースエナジー―100%再エネの電気小売りを目指し、Light on, Nuclear off (電気つけて、原発を消そう)

 

「私たちはエネルギー源を重視し、どこから来たか証明できない電気は買わない。FIT枠ではなく、直接発電会社と取引をしている」とグリーンビスエナジー。2015114日、ドイツ・ハンブルグにあるグリーンビスのビルを訪問、グリーンピースエナジーの方々にお話しを伺った。ビルの屋上には太陽光パネルと風車があるビルが本拠地だ。

 

Light on, Nuclear off (電気つけて、原発を消そう)をキャッチフレーズに42千世帯に再生エネ100%の電気を供給している。市民が投資、利益が出たら返している方式だ。

 

ドイツは、人口は8,000万人(8,322万人:20219月末(推定値)4,000万世帯だ。その半分2000万世帯が大手の電気会社をそのまま継続し30セントkWh1.200万世帯が一番安い電気25セントkWh、残り800万世帯がグリーンエネルギーを2528セントkWhそれぞれ購入している。100セント=1ユーロ。

 

そんな中、電力構成で水力90%、風力10%を保っているが、「ソーラーは値段が高いからほとんど入れていない」という。2013年から出来た欧州の新システムで電気を直接購入している。

 

その一方、発電事業にも参入、2001年子会社プラネットエナジーを設。現在11ケ所の風車、ソーラー3ケ所で発電。これまで1.2億ユーロを投資している。

 

課題は北部にある電力を大消費地の南部などに送れないこと。系統接続が弱いからだ。増設しようにも、送電網の整備には反対が強いようだ。時々、風車を停止することも余儀なされている。そこで、WIND GASと呼ばれる風車の電気から水素を作りだしている。電気分解して水素に変えるが、60%のロスで効率が悪い。しかし、整備されている天然ガスの配管にWINDGASを混入させて熱供給に漕ぎつけている。

 

このように、欧州では、FITを更に進化させ、再エネを熱利用まで拡大させている。日本の再エル普及との差はますます広がっている。

 

ドイツ社会がFITを利用しなくともなんとか再エネをやっていけるだけ成熟しているといえよう。ただ、よちよち歩き日本では難しいようだ。

一般家庭向けグリーンエネルギー |グリーンプラネットエナジー (green-planet-energy.de)
グリーンピース・エナジー社のウェブサイト(ドイツ語だけですが、オンライン翻訳機能などで中身を見ることができます。
私たちは妥協することなく急速なエネルギー転換に取り組んでいます。

ドイツで見てきた市民がつくるエネルギーのかたち - 国際環境NGOグリーンピース (greenpeace.org)   もっと詳しく報告されている。

ハンブルクの水素バス、風力発電の余剰電力活用の試み | 自然エネルギー財団 (renewable-ei.org)

 

グリーンピース・エナジー社とプラネット・エナジー社の入るハンブルグオフィス
グリーンピース・エナジー社とプラネット・エナジー社の入るハンブルグオフィス

スペイン・ドイツ視察レポート その5

市民のアイデア:戦争遺産を地域エネルギーの拠点に改造―エナジートーチカ

再エネ改造エネルギートーチカ(@説明看板から)
再エネ改造エネルギートーチカ(@説明看板から)

市民のアイデア:戦争遺産を地域エネルギーの拠点に、再エネ改造エナジートーチカ

ハンブルグ市内に、今も高さ41mの防空壕が残されている。壁の厚さ4.5m。爆弾を直撃しても被害はなかった。戦時中には15千人の住民が避難したこともあったという。

イギリス軍によって破壊された内部は、トラック1500台分のガレキの山。解体費用に250。どうしようか、市民のアイデアを募る。

 

最後に太陽熱の利用が採用された。この地は川の中州で、深く掘ると水が出るので地域暖房が進まなかった。太陽光で屋上の温水タンクを発熱し、壁面の太陽光パネルで施設の電気を賄う。バックアップには天然ガスを利用しているが、天然ガスには下水処理のメタンガスも混入されている。今近隣900世帯、更に11月中には700世帯が追加され、水道管を通じて、6090°の温水が供給されている。水は家の地下の熱交換機に入って返ってくる。ロスが少ない。

 

 

ドイツでは電気より熱を重視している。この中州全体では、2025年まで電気100%2050年まで熱の100%を再エネにするエネルギー計画が進められている。

参考
エルファディンク || トーチカ (elfferding.de)

 

防空壕で再エネ発電。ドイツ・ハンブルクの市民がつくる「都市の楽園」 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD

 

 

再エネ改造エネルギートーチカ(戦争遺産を再エネに改造)
再エネ改造エネルギートーチカ(戦争遺産を再エネに改造)
再エネ改造エネルギートーチカ(戦争遺産を再エネに改造)外部
再エネ改造エネルギートーチカ(戦争遺産を再エネに改造)外部

ドイツ・スペイン視察報告 その6

ごみの山から「エネルギーの丘」へ

ドイツ・ハンブルグ エネルギーの丘
ドイツ・ハンブルグ エネルギーの丘

【ごみの山から「エネルギーの丘」へ】

 

 ドイツ第2の年ハンブルグ市では、ごみの山から「エネルギーの丘」へ変えた。

 

2次大戦後、戦災がれきが捨てられ、1979年までは、精銅工場などの化学工場の廃棄物も積み上げられていた。家庭ゴミや産業廃棄分の高さ60mのごみの山が、かなり悲惨であった。70年代には閉鎖されたが、80年代には地下水からダイオキシンが検出された。シートカバーなどバリヤーを作ったが、永遠にもつものではない。

 

写真はエナジートーチカ(その5)から説明を受けながら、望遠で撮影したもの。3本の風車と太陽光発電所が見える。

 

今なお排出されるメタンガスは、近くの大きな工場で高炉に入れて燃やされている。

 

参考

自然エネルギー&市民電力 ドイツ・デンマーク視察 (ドイツ編その3) | 小西みか (seikatsusha.me)

 


ドイツ・スペイン視察報告 その7

プラーター水力発電所:自然環境や歴史都市景観の調和を重視地下化へ

プラーター水力発電所の地下にあるKaplan-Rohr-Turbine
プラーター水力発電所の地下にあるKaplan-Rohr-Turbine

 

プラーター水力発電所:自然環境や歴史都市景観の調和を重視地下化へ

 

2015116日、ドイツ・ミュンヘン市にあるプラーター水力発電所を視察した。イザール川マキシミリアン橋の付近の地下にある。この水力発電所は、自然環境や歴史的都市景観と調和を重視して、完全に地中に建設されたものである。魚、川の流れなど様々な観点から検証を行ってプロジェクトを実施した。

 

タービンタイプ: Kaplan-Rohr-Turbine 、出力 2,5 MW 。落差: 9 m も年間発電量1000kWh=約4000家庭分相当する。2010年夏から発電を開始した。

 

 市のシュタットベルケが70%、グリーンエナジーが30%出資。10万€(取材当時で130億円)の投資だ。「最初、市にできないと言われたが、グリーピースエナジーがアイデアをだして、技術をもっているところから実現していこう」と完成に漕ぎつけた。「経営的にはペイできている」

 

 ただ、稼働率は100日程度にとどまる。水力が減ると停止し、十分な水力が得られると自動的に動く。FIT20年計画だ。

参考 シュタットベルケ(内部 サイト)
https://fukushima-wasurenai.jimdofree.com/10-シュタットベルケから自治体新電力の可能性を探る/

 

 

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参考

 建設の経緯に次のとおり。(DVDから邦語訳ご協力:FoeJapan吉田明子さん)

 

 

2009年>

422日 

川の水を抜く

517日 

建設工事開始。基礎工事のために600本のコンクリートの柱

624

大雨で工事中断。

825

タービンへの水が流れるトンネル部分の建設。

1014日 

トンネルにコンクリートの流し込み。

工事全体で3500立方メートルのコンクリートを使用

122

タービンの設置場所を決めるための木枠の設置

特注のタービンの製造には15ヶ月かかる。

2010年>

223日 

タービン部品の搬入 全部で30トンほどと非常に重く6個の部分にわけて搬送。

設置組み立て。

水車と風車の技術を融合させた最新技術。

水車の直径は2.3メートル。水車の回転を、風車に使われるジェネレーターに伝えることで電気に変換する。

617

タービンは地中に埋められ、川底はもとのような見かけに戻った。

(技術者)

環境破壊をせず、景観や市民生活に負担をかけずに(騒音などもない)、再生可能エネルギーを導入することがわれわれの使命だ。

810

25メートル地下の発電設備を紹介。発電開始。

 

 

(DVDから邦語訳ご協力:FoeJapan吉田明子さん)

イザール川マキシミリアン橋の付近、景観を守るためこの地下に発電所建設
イザール川マキシミリアン橋の付近、景観を守るためこの地下に発電所建設
発電所まで階段で地下に降りる
発電所まで階段で地下に降りる
プラーター水力発電所の設計図
プラーター水力発電所の設計図
建設中のプラーター水力発電所
建設中のプラーター水力発電所

ドイツ・スペイン視察報告 その8

「太陽の村」ドイツ・レッテンバッハ、再エネで理想の村を先取り

「太陽の村」ドイツ・レッテンバッハ
「太陽の村」ドイツ・レッテンバッハ

「太陽の村」ドイツ・レッテンバッハ、再エネで理想の村を先取り

 

レッテンバッハ村はドイツのアウアーペルク山北部のアルプス山脈を背後にひかえて丘陵地帯に囲まれた風光明媚な日照量の多い村です。「今日、我が村は理想的な村のあり方を先取りした再生可能エネルギーの規範としてその名を知られています」と村の冊子に紹介している。

 

しかし、第二次世界大戦後、村は廃れて行き、学校等公共施設も売り出さねばならなかった。地方再統合が行われ1978年に町村合併。若い人は、仕事を求めて他の自治体へ。合併当時人口は850人。職場を求め、ふるさとを捨ててどんどん減っていく「レッテンバッハ村に明るい未来はあるのか!」と議論を重ねた。しかし、「自由のための戦いを粘り強く続けた結果」合併の法律はあっても、合併から分離する法律がなく、バイエルン州と交渉のすえ5年、合併から16年!独立することができた。1993106日がレッテンバッハ村独立の記念日だ。当時550人まで人口は減った。

 

独立は勝ち取ったが、将来どんな方向に進むのか、みんなで考た。100年前暖房は村の木で行っていた。自然がある、木がある!エネルギーの独立をすることを考えた。太陽に恵まれた土地を活かすことも考えた。そして、今や村の大部分は、太陽熱温水器やソーラー発電装置、あるいは木質チップや薪ボイラー、さらに地域熱供給網やバイオガス装置によって、電気と熱が供給されるようになった。

 

村を案内してくれたフッシャーさんは「まずは自分の家にソーラーを付けた。見ることは信じること。ソーラーがお金になることを知ってもらうと、ソーラーが村に広がっていった」という。やがて、レッテンパッハで独自のエネルギー供給が始まった。太陽光発電所装置:年間約450kWhの電力が供給され、村の個人家庭と工場での消費量を大きく上回っている。

 

エネルギー産業から収益が上がり、新しい経済活動が生まれ、レッテンバッハ村は村のお手本として表彰された。

 

取材・撮影 2015.11.7

参考 更に詳しくは
ドイツのレッテンバッハ村|「天国のような村」と呼ばれた村| 環境・CSR・サステナビリティ戦略に役立つ情報サイト おしえて!アミタさん (amita-oshiete.jp)

バイエルン州レッテンバッハ、PV一人頭4.3kWの元気村 - 滝川薫の未来日記 (goo.ne.jp)

 

「レッテンバッハ・アム・アウアーペルク 太陽の村へようこそ」冊子
下の写真はその冊子。これを日本の方が翻訳して冊子にしている。 

 

レッテンバッハ村で24年間村長を務めたビルヘルム・フィッシャーさん
レッテンバッハ村で24年間村長を務めたビルヘルム・フィッシャーさん
レッテンバッハ村の工場内部
レッテンバッハ村の工場内部